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アクシス・ネット技術コラム
技術コラムを連載でお届けいたします。
「ケースレー428−PROG型電流電圧変換アンプのエミュレーション・モード搭載したA4280高速電流電圧変換アンプ」の開発現場より、不定期でお送りします。
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投稿日時: 2019-11-8 15:59:37 (4186 ヒット)
(1Ωの測定) またまた忘れそうなので、1Ωの測定を説明します。
最近、2次電池の電極材料の測定という話が増えてきました。 これも、極限の低抵抗測定といえ 1Ω以下の測定と同じ問題が起こります。
何回かこのコラムでも書きましたが、抵抗測定でも 標準的なDMMのレンジの外、 1Ω以下や100MΩ以上の抵抗測定は、 注意が必要です。
1Ωの抵抗に200mΩの測定リードを繋いで2端子測定をすると 1.2Ωとなり、20%の誤差となってしまいます。 これは、通常10mAの電流を1Ωに流して電圧を測定するのですが 測定する電圧計が200mΩの抵抗も合わせた12mVを読んでしまうからで、 4端子法で電流パスとは別に電圧測定の端子を1Ωに当てれば 電圧計の入力抵抗は1M程度以上なので10mVとなり 1Ωの抵抗を正確に 測定することができそうです。 (4端子法については、別に詳しく解説しています)
できそうということは、まだ問題があり微小抵抗測定時は、熱起電力が問題になります。 異種金属の接合面でゼーベック効果により温度に依存した電圧が発生します。 20℃であれば数mVの電池になることがあります。 この影響を除去するには、DCの測定であれば電流反転法か ACの4端子法になります。
 V=電池 Vth1Vth2=熱起電力 R=抵抗 i =電流
ACの4端子法のほうが価格が安くできますが、DCの電流反転法のほうが極限の低抵抗測定が可能です。 AC測定は、周波数も電流値の決まった値でしか測定できません。
一番の違いは、ADの分解能と測定精度です。 キーになるのは、DCの測定器は、7桁半のメータで24ビット相当のADを使用して高分解能で高精度の測定が可能です。
尚且つ、電流の値を変えて測定することも可能です。電圧計が許す限りの電流で測定が可能です。 現在販売されている最高性能の電圧計の誤差は 40nV程度なので これを1%の誤差とすると 電圧測定で4μVの測定となります。 1Ωの測定に 1μA もしくは、1μΩの測定であれば1A になり 熱起電力の誤差 数μVがなければ、簡単な測定です。 熱起電力のキャンセルには、精度の良い電流を反転させての測定が有用です。
このことを理解した上でコンタクトが確実にできる測定ジグが必要です。 アクシス・ネットはトータルソリューションを提供します。
次回は、オーミックであることについてを予定しています。
【関連記事】 ・高速電流測定について: A4280 高速電流電圧変換アンプ開発室より ・測定速度: A4280 高速電流電圧変換アンプ開発室より ・DMM とエレクトロメータ ソースメータ: A4280 高速電流電圧変換アンプ開発室より ・4端子法という測定: A4280 高速電流電圧変換アンプ開発室より ・DMM とソースメータ: A4280 高速電流電圧変換アンプ開発室より ・微小電圧と誤差: A4280 高速電流電圧変換アンプ開発室より ・電子計測のツボ: A4280 高速電流電圧変換アンプ開発室より

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