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技術コラムを連載でお届けいたします。
「ケースレー428−PROG型電流電圧変換アンプのエミュレーション・モード搭載したA4280高速電流電圧変換アンプ」の開発現場より、不定期でお送りします。
技術コラム : 微小電流測定のノイズについて
投稿日時: 2019-11-20 10:55:30 (977 ヒット)
バイオ関連の測定で 微小電流を測定する場合
ノイズの問題を避けて通りことができません。



イオン電流はμA―nAの単位ですが
トンネル電流では、pAの単位の測定が必要になります。

単位だけでpAというのは簡単ですが、
pA(10の-12乗)は、帯電した人間が電線に近づくだけで流れます。
こうなると、測定する人間がいてはダメということになり
測定装置に近づけません。
何を測っているのかわからないということになってしまいます。

もちろん、正しいシールドやガードを施しグランドがうまく取れており
高感度の測定器を使えば、pAの測定は可能です。

但し、信号が高速である場合 100KHzであった場合は大変です。
電流は、電荷の単位時間当たりの移動量です。
電圧は、電荷のポテンシャル(位置エネルギー)です。
電圧は、高速で測定することが可能ですが、
微小電流の高速測定にはかなり難しい壁が存在します。

通常pAレベルの測定はハムノイズの除去のため 電源周波数の逓倍つまり 
50Hzであれば20msの倍数 通常 200ms間測定し ノイズを除去します。
(60Hzであれば 166.666ms)
100kHz は 時間軸で1周期 10μsで ハムノイズに埋もれることがあります。
例え信号の振幅が十分あったとしても、測定のバンド幅が 数Hzになるので 
信号は減衰して捕捉できません。


電流で測定するのが、難しいので電圧に変換する必要があるのですが
変換方法も問題です。 単なる抵抗だけでは変換できません。

少し話がそれますが、これはマルチメータで電流を測定するのも同じです。
マルチメータの電流測定は、内部抵抗例えば10kΩに1μA流すと10mVという測定方法です。

電気泳動でイオン電流の測定では、1Vで100μA流れたとするも10kΩの抵抗になり
直列にマルチメータを繋いでしまうと電流が半分になってしまうことがあります。
正確に半分ならまだしも、溶液の抵抗は一定でないことがあります。
ノイズに埋もれて電流値もでたらめということになります。

ノイズに関しては、これが正解というのが難しいので
話がどんどんややこしくなってしまいます。

結論としては、ノイズの除去としてシールド、ガードをきちんとり
グランドも一点できちんと落とす。
(グランドからノイズが回り込むこともるので現場での対処が必要な場合もあります。)
微小電流であれば、適正なアンプを選び電圧に変換して測定する。

経験がものをいう測定です。
投稿者: axis


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