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技術コラムを連載でお届けいたします。
「ケースレー428−PROG型電流電圧変換アンプのエミュレーション・モード搭載したA4280高速電流電圧変換アンプ」の開発現場より、不定期でお送りします。
技術コラム : 岡目八目
投稿日時: 2020-3-12 14:47:32 (847 ヒット)
騒動の渦中にいる人は、全体像が見えず
横で見ている人の方が状況を判断できるということです。
囲碁から出た言葉で、囲碁をやっている本人よりも横で見ている人は
八目先まで手か読めるということわざです。

エンジニアの仕事に置き換えると、
装置開発で一度コンセプトが出て開発が進みだし
途中で問題が出てきた場合、今までの開発経過や使った時間お金によって
冷静な判断ができないことが多々あります。

筆者も、まったく今までやったことが無いシステムを開発中に
何度か経験しております。

経験上特に難しいのは、温度が絡む場合と新しい機構部品を使った場合。
測定は、ほぼ限界がわかっているのであまり無茶をしないのですが

温度は、周囲環境の影響を受けやすくムラなく変化させることも難しいので問題を起こしやすい。
また恒温層を使用しての試験では、125℃を超えると配線材料やコンタクトピンまでが
問題になってきます。また温度サイクルによる試験装置の寿命を考える必要があります。
装置も大がかりになると温度変化に時間がかかり、試験の結果をみて修正となると
アッと言う間に日にちが立ちます。
若いころ、新製品の信頼性試験に低温試験動作で−20℃の部屋と80℃の部屋で交互に
装置の動作試験をやったことがあり狭くて暗くて寒い部屋に1時間以上閉じ込められて以来、閉所恐怖症になりました。
通勤時に電車が途中で止まると、冷や汗が出てきます。

機構部品も単純な物であれば良いのですが、デバイス形状に合わせて
複雑な形になればなるほど信頼性が落ちていきます。

このような複合の新しい条件で開発を行うと往々にしてとんでもないことが起こります。
開発が進んでくる途中で、何か所か修正の分岐点があったはずなのに
当初の計画が頭にあり、修正点を見逃してしまう。
また、エンジニアが結果を正しく報告しても会社にとって都合が悪ければ
そのまま、開発が進みどうにもこうにもならないことがあります。

新製品で誰もやったことがない製品は、誰もやってない理由があるのです。

このようなトラブルを他人事として、見てる時は、幸せを感じてしまいます。
自分が当事者でなくてよかった。

他人の不幸は蜜の味。
学術的にもシャーデンフロイデという現象で
シャーデン(毒 損害)にフロイデ(喜び)があるということです。
脳の深い部分で、快楽をえるのでドーパミンが出てきます。
人間の業(本能的)に由来する快楽です。 毒ほど旨いものはない。 


今日は、人の身 明日は我が身。木をみて森を見ず。鹿を追うものは山を見ず。
他山の石以って玉を攻くべし。 人の振り見て我が振り直せ。情けは人のためならず。
昔から、よく戒められている教えです。

それとよくあるのが、取らぬ狸の皮算用。思い込みは間違いを生みます。
そこら中狸だらけもしくは、魑魅魍魎が飛びかう状況。
人間は、信じたいものしか信じず、自分自身を騙します。
エンジニアには、真実を見極める目が重要 まさに岡目八目


投稿者: axis


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