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技術コラムを連載でお届けいたします。
「ケースレー428−PROG型電流電圧変換アンプのエミュレーション・モード搭載したA4280高速電流電圧変換アンプ」の開発現場より、不定期でお送りします。
技術コラム : 試金石
投稿日時: 2021-3-5 13:11:28 (559 ヒット)
試金石とは、本来加工された金の含有量を調べる道具で
黒色の石英質の鉱石のことである。
主に、貴金属の価値を確かめる方法であることから転じ
物の価値を確かめる手段全般のことを指すようになった。

よく、新しい技術を使って開発されたものが世の中に受け入れられるかどうかという時に
展示会における評価や、最初に大きな市場に数台納入して評判を聞くことを
試金石という場合がある。

物の価値とは、難しいものでいかに優れていても価格が合わないと売れない場合。
機能が飛びぬけて良くても、その機能が必要とされなければ、まったく売れないことがあります。

多くの革新的技術もこの運命には翻弄されています。

まず筆者の頭にすぐ浮かぶものは、今は亡き VHSとβ ビデオデッキの規格争いです。

技術的には、βの方が優れていたのですが 市場はVHSの圧勝で終わりました。
最終的にはソニー対その他の家電メーカーの販売戦略の戦いでした。
この争いも20年ほど前に終わり、勝者であるVHSも今は市場に存在しません。
テレビとビデオデッキが一体となったテレビデオも、この最終局面で登場しています。

それと、カラオケや映画ではパイオニアのレーザ―ディスクが一世を風靡しました。
レーザーディスクは、DVDより前に普及したアナログ映像ディスクです。
致命的だったのは、レンタルがなく買い取りだったので高額な物になってしまった。

その次の世代として、VHSを駆逐したのがDVDです。今も市場の中心はDVDなので
市場の要求を満足し続けています。

DVDの次のメディアとして開発された BD(ブルーレイディスク)ですが
当初は、少しもたつきましたが現在 DVDと市場を二分しています。

レンタルショップでは、明らかにDVDがいまだ主流ですが、録画デッキの市場に
DVDのみは残っていません。 すべてBDに代わってしまいました。

少しマイナーですが、ビデオカメラも VHSとβの争いの後
最終的には、ソニーの規格である 8ミリ規格(パスポートサイズ)が
勝利を収めました。


その後 8ミリも DVDに負け 今は メモリーカードになってしまいました。
更に、スマホによる動画撮影に取って代わられています。

筆者も、人生の記録を振り返ると結婚式は、VHSのビデオカメラで録画し
子どもは、ソニーの8ミリビデオで成長を記録していました。
しばらく時が経ち、子供の結婚式は、メモリーカードに録画しています。

この戦いは、まるで生物の進化論を見ているようです。
ネットワークのビジネス市場では、コロナによりオンライン会議がかなり普及しています。
個人消費においてもネットワークによる動画配信が、一般的になりこの流れでレンタルビデオが
廃れるとDVDも近い将来 絶滅危惧種になるのでしょうか。

またコロナによって金の価格は、コロナバブルと呼ばれ市場最高値の様相を呈してきました。
時代によって、物の価値観も変化しますが、
次世代の技術の価値を測る試金石とは、どうなってしまうのでしょうか。

因みに、すでに廃れてしまっているのに毎年年末にレコード大賞を選考していますが、
本当に売れたレコードに大賞をおくるのであれば、昨年度のレコード発売枚数 4万9千枚なので
何曲リリースされたかわからないので、2万5千枚売れれば レコード大賞になるはず。
レコードも根強い人気があるといっても。絶滅危惧種であることに変わりはなさそうです。
アナログが廃れデジタルの世界におけるダウンロード数もしくは、youtubeの閲覧数でデジタル大賞とでも呼ぶべきなのかもしれません。

映像や音楽の世界は、流行り廃りのサイクルも速く、基準となる試金石も変化していくのでしょう。

投稿者: axis


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