技術コラム : 有機デバイスの接合
投稿日時: 2021-10-4 13:29:06 (606 ヒット)
現在、開発されているバイオセンサーはいずれウェアラブルなデバイスとして 小型で軽量化され腕時計や眼鏡のような形状の製品になるイメージでは ないでしょうか。 バイオセンサーも単独では動作ができないので、アンプ等のピックアップ回路や 抵抗コンデンサをプラスチック等の基板に半田付けする必要性があります。 また、脱炭素社会においても注目されているペロブスカイト太陽電池も プラスチック・シート上に形成されるので同じ問題を抱えています。 更に 太陽電池では接続に使用する端子との直列抵抗がそのままロスになるので 接合に使用する半田の抵抗率が高いことはは大きな問題になります。 通常よく使用されるシリコン素材でも 耐熱200℃なので 通常の融点が300℃以 上の半田は使用できません。 錫ビスマスの合金である低温半田でも 融点は175℃あり 一般的なプラスチック の耐熱以上になります。 また、バイオセンサー等は通常熱に弱い材料で製作することもあり 低温での部品接合では銀ペーストの低温での焼結が有用です。 微細加工された部品の接合においても抵抗の低い銀のナノ粒子を使った 銀ペーストが有用です。 純銅の板を 通常の鉛と錫の半田で接合したもののと 銀のナノ粒子を使用した 銀ペーストで接合したものを電流反転法で精密測定をしてみました。 結果は、 ナノ粒子の銀ペースト 抵抗率 1.862E-04 Ωcm 焼結温度 100℃ 鉛錫半田 抵抗率 2.039E-04 Ωcm 焼結温度 300℃ 参考までに 低温半田175℃ 錫ビスマス 1E-03〜1E-02 Ωcm になります。 このレベルの微小抵抗の熱起電力をキャンセルできる正確な測定には、 電流反転法が有用です。 ![]() 繊細なデバイスの接合は、低温で確実な銀ペーストが最適です。 |
投稿者: axis
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